マイナンバーカード保険証登録したら保険証は使えなくなりますか？

マイナンバーカードを保険証として利用登録したからといって、従来の保険証が即座に使えなくなるわけではありません。重要なのは、マイナンバーカードは保険証の「代替」であり、「代替品」ではないということです。 これは、マイナンバーカードを保険証として利用できるようになったとしても、従来の健康保険証が機能停止するわけではないことを意味します。

具体的に説明すると、マイナンバーカードを保険証として登録した場合、オンライン資格確認システムに対応している医療機関や薬局では、マイナンバーカードだけで診療や処方箋の受け取りが可能になります。スマートフォンアプリで表示した画面でも対応している場合もあります。これは、医療機関が患者の資格情報をオンラインで確認できるため、保険証の提示が不要になるからです。スムーズな受診と、保険証の紛失・破損のリスク軽減が期待できる大きなメリットです。

しかし、多くの医療機関、特に地方の小さなクリニックや個人医院などでは、まだオンライン資格確認システムが導入されていないのが現状です。システム導入には費用や技術的な課題があり、すべての医療機関がすぐに対応できるわけではないのです。そのため、これらの医療機関を受診する際には、従来通りの健康保険証が必要となります。 マイナンバーカードを提示しても、対応できないため、保険診療を受けられない、もしくは診療を受けられるものの、保険適用外扱いになる可能性があるのです。

さらに、薬局でも同様です。オンライン資格確認システムに対応していない薬局では、従来の保険証を提示する必要があります。マイナンバーカードだけで薬を受け取れない場合、処方箋が無駄になる可能性も否定できません。

したがって、マイナンバーカードに保険証情報を登録した後も、従来の保険証は大切に保管しておくべきです。 破棄するのは、オンライン資格確認システムが全国の医療機関と薬局に完全に普及し、保険証の提示が完全に不要になったと確認できる時点以降が良いでしょう。 現状では、いつそれが実現するかは不確定です。

また、マイナンバーカードの紛失や盗難に備えて、保険証と同様に、適切な対策を行うことも重要です。カードの再発行には手続きが必要となり、その間、医療機関の受診に支障をきたす可能性があります。 紛失・盗難時の手続きについても、事前に確認しておくことが賢明です。

結論として、マイナンバーカードの保険証利用登録は、利便性向上を目指す一歩ですが、現時点では従来の保険証を完全に代替するものではありません。両方を併用することが、スムーズな医療受診を確保するための最善策と言えるでしょう。 医療機関を受診する際には、事前にその医療機関がオンライン資格確認システムに対応しているかを確認し、必要なものを持参するようにしましょう。 最新の情報は、各保険者や厚生労働省のウェブサイトなどを確認することをお勧めします。 安心して医療を受けられるよう、適切な情報収集と準備を怠らないことが大切です。