体温が34度台だと病気ですか？

体温が34度台…それは病気のサインなのか、それとも単なる一時的な現象なのか？ 多くの人が抱く疑問です。結論から言うと、体温が34度台だからといって、必ずしも病気であるとは限りません。しかし、安易に「大丈夫」と判断する前に、いくつか重要な点を理解しておく必要があります。

まず、私たちが一般的に測る体温は、皮膚表面に近い温度である「皮膚温」です。一方、体の内部、例えば肝臓や脳などの深部の温度を示す「深部体温」は、体の本当の温度を表します。皮膚温は環境温度の影響を受けやすく、体温計の種類や測定場所によっても大きく変動します。そのため、34度台の皮膚温を測ったとしても、それが体の真の状態を反映しているとは限りません。深部体温こそが、体の状態を判断する上で最も重要な指標なのです。

深部体温が35度を下回ると、低体温症と診断されます。低体温症は、体の熱産生量が熱放散量を下回った状態であり、放置すると深刻な事態を招く可能性があります。35度～32度が軽症、32度～28度が中等症、28度～20度が重症と分類され、症状は寒気、震え、意識障害、呼吸困難など、段階的に重症化していきます。34度台の皮膚温であっても、深部体温が35度を下回っている可能性は十分に考えられます。

では、深部体温をどのように測るのでしょうか？ 最も正確な方法は、食道温、直腸温、膀胱温などの測定です。家庭で手軽にできる方法としては、直腸温が比較的正確です。しかし、これらの測定は専門的な知識と技術が必要な場合があり、自己判断で無理に行うのは危険です。

34度台の皮膚温を測った場合、まず確認すべきは、以下の点です。

• 測定方法と環境: 体温計の種類、測定時間、周囲の温度、測定部位など、測定環境に問題がないかを確認します。
• 全身状態: 他に症状はありませんか？ 寒気、震え、倦怠感、吐き気、嘔吐、頭痛、意識障害など、他の症状を伴っている場合は、すぐに医療機関への受診が必要です。
• 持病の有無: 持病がある場合は、その病気が低体温症を引き起こす可能性があるか、担当医に相談する必要があります。
• 飲酒や薬物の摂取: 飲酒や薬物の影響で体温が低下している可能性も考慮する必要があります。
• 年齢: 高齢者は体温調節機能が低下しているため、低体温症になりやすいです。

34度台の体温は、必ずしも病気ではありませんが、安心せずに、深部体温の測定や全身状態の確認、そして必要であれば医療機関への相談を検討することが重要です。 特に、他の症状を伴っている場合、または高齢者の場合は、すぐに医療機関を受診することを強くお勧めします。 自分の体の状態を正確に把握し、適切な対応をすることが、健康を維持するための第一歩です。 自己判断で安易に判断せず、専門家の意見を仰ぐことを優先しましょう。