119番と110番どっち？

119番と110番、どちらも緊急通報番号ですが、その役割は大きく異なります。どちらに電話すべきか迷う状況も少なくありません。命に関わる事態や、一刻を争う状況では、正しい番号への迅速な通報が、事態の収拾、そして何より人命救助に繋がるからです。本稿では、119番と110番の使い分けについて、具体的な事例を交えながら解説し、緊急時の対応に役立つ情報を提供します。

119番は、消防機関への緊急通報番号です。火災、救急、救助といった、生命・身体に危険が及ぶ状況、またはその可能性が高い状況で利用します。具体的には、以下の様なケースが挙げられます。

• 火災: 建物火災、車両火災、山火事など、燃えている、または燃え出しそうな状況。初期消火活動の困難さや延焼の危険性が高い場合、迅速な通報が重要です。煙の発生、焦げ臭い匂いだけでも通報を検討すべきです。
• 救急: 病気、怪我、事故など、救急医療が必要な状況。意識不明、呼吸困難、激しい出血、意識はあるものの激しい痛みを訴えている場合などは、一刻も早い救急隊の到着が求められます。熱中症や心筋梗塞などの症状も含まれます。
• 救助: 閉じ込められた、高所から転落しそう、水難事故など、生命の危険が差し迫っている状況。建物に取り残された、山中で道に迷った、海で溺れそうなど、自力では脱出が困難な場合に利用します。動物による襲撃なども含まれる場合があります。

一方、110番は警察への緊急通報番号です。事件、事故の目撃、または身の危険を感じた場合に利用します。具体的には、以下の様なケースが挙げられます。

• 犯罪の発生: 強盗、傷害、殺人、窃盗、脅迫、痴漢など、犯罪行為の発生を目撃した場合、または被害を受けた場合。
• 事故の発生: 交通事故、傷害事故など、警察の介入が必要な事故の発生。目撃者として、または当事者として通報します。
• 不審者: 不審な人物や車両を見かけた場合。徘徊している人物、車上荒らしをしている人物、不審な行動をしている人物など、危険性を感じた場合に通報します。
• 身の危険: ストーカー、暴行、脅迫など、身の危険を感じている場合。具体的な被害を受けている場合だけでなく、将来的な危険を予見できる場合にも通報すべきです。

迷った場合は、まず110番か119番のどちらかに電話し、状況を詳しく説明しましょう。オペレーターが状況を判断し、必要に応じて適切な機関に繋いでくれます。通報する際には、以下の情報を正確に伝えましょう。

• 場所: 具体的な住所、建物名、交差点名など。可能な限り詳細な情報が必要になります。
• 状況: 発生している事象、被害状況、加害者の情報など。
• 通報者の氏名と電話番号: 必要に応じて連絡が取れるように、自分の氏名と電話番号を伝えましょう。

緊急通報は、迅速かつ正確な情報伝達を要する重要な行為です。迷わずに電話し、適切な支援を受けましょう。 些細な疑問も、そのままにせず、通報することで多くの命や財産を守ることが出来ます。 正しい知識と迅速な行動が、安全な社会を守る鍵となります。