遺失物を拾ったら3ヶ月過ぎたらどうなる?

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拾得物法では、落とし物が3ヶ月経過しても持ち主が現れなければ拾得者のもになります。ただし、これはあくまで原則。高価な品物や個人情報を含む携帯電話などは、警察に届け出て処理を受けるべきです。勝手に所有することは法律違反となる可能性があり、注意が必要です。

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遺失物を拾った時、誰も名乗り出てこなければ自分のものになる、というのは何となく知っている人も多いでしょう。しかし、拾得物法の規定はそれほど単純ではありません。特に、3ヶ月経過後の扱いは、落とし物の種類や価値、拾得者の対応によって大きく変わるため、注意が必要です。この記事では、遺失物を拾ってから3ヶ月が経過した場合にどうなるのか、その詳細と注意点について解説します。

拾得物法では、拾得者が遺失物を拾得した日から7日以内に、警察署または市町村役場(落とし物がその管轄区域内で見つかった場合)に届け出る義務があります。これは、高価なものでも、一見価値のなさそうなものでも変わりません。届け出を怠ると、拾得物横領罪に問われる可能性があり、罰則が科せられます。

では、7日以内に届け出た場合、3ヶ月後どうなるのでしょうか? 一般的に、拾得物法第10条では、拾得物発見後3ヶ月間、所有者から申し出がなかった場合、拾得者はその遺失物を所有できることになります。これは、いわば「所有権の移転」です。しかし、この「3ヶ月」という期間は、単純な経過日数ではありません。重要なのは、警察や市町村役場が、所有者を捜索したという事実です。

警察や役場は、届け出られた遺失物の情報に基づき、所有者を探します。落とし主の身元が特定できるような情報(住所、氏名、電話番号など)が遺失物に含まれている場合、警察は積極的に所有者への連絡を試みます。また、価値のある遺失物の場合は、警察の広報活動や、インターネットなどを活用して所有者捜索が行われます。

しかし、所有者不明のまま3ヶ月が経過した場合でも、すぐに拾得者が所有権を得られるとは限りません。例えば、非常に高価な宝石やブランド品、現金などの場合は、警察が保管し、その後、公売などを通じて処分されるケースがあります。これは、拾得者が不正に所有することを防ぎ、もし真の所有者が現れた場合に備えるためです。

また、個人情報が含まれるスマートフォンやパソコン、財布などの場合は、たとえ3ヶ月経過していても、勝手に使用したり、個人情報を閲覧したりすることは違法です。これらの遺失物は、警察に届け出て、適切な処分を依頼する必要があります。個人情報の漏洩を防ぐためにも、警察への届け出は不可欠です。

さらに、拾得物が明らかに誰かの所有物であることが明確で、かつ、その所有者が容易に特定できる状況でも、3ヶ月経過後すぐに自分のものとして扱うのは危険です。例えば、特定の会社のロゴが入った名札つきのカバンなどは、会社に連絡し、所有者を探してもらうのが適切な対応と言えるでしょう。

結論として、拾得物に関する法律は、一見シンプルに見えますが、実際には落とし物の種類や状況によって、複雑な手続きを要することがあります。3ヶ月経過後、自分のものになると安易に考えるのではなく、必ず警察や役場への届け出を行い、担当者からの指示に従うことが重要です。 少しでも疑問を感じたら、専門機関に相談することをお勧めします。 法律を遵守し、誠実な対応を心がけることが、トラブルを避けるために不可欠です。