38度以上の熱が続くのはどういう病気ですか?

0 ビュー

38度以上の発熱が長期間続く場合、原因が特定できない状態を「不明熱」と呼びます。感染症だけでなく、がんなどの悪性腫瘍、薬剤アレルギー、膠原病といった様々な病気が原因となっている可能性があります。原因特定のため、医療機関での精密な検査が重要となります。

コメント 0 好き

38度以上の熱が続く…考えられる原因と、病院へ行くべきタイミング

38度以上の熱が長引くのは、体からのSOSサインです。一時的な風邪やインフルエンザなら数日で治まることが多いですが、数日以上、あるいは数週間も高熱が続く場合は、放置せずに医療機関を受診することが大切です。

一般的に、38度以上の熱が3週間以上続き、かつ入院しても原因が特定できない場合を「不明熱」と呼びます。不明熱は、単純な感染症だけでは説明できない、複雑な病気が隠れている可能性を示唆しています。

では、具体的にどのような病気が考えられるのでしょうか?主なものとして、以下の3つが挙げられます。

1. 感染症:

  • 細菌感染症: 肺炎、腎盂腎炎、感染性心内膜炎、結核など、細菌が原因となる感染症は多岐に渡ります。
  • ウイルス感染症: HIV感染症、伝染性単核球症など、一部のウイルス感染症は慢性的な発熱を引き起こすことがあります。
  • 真菌感染症: 免疫力が低下している場合に、アスペルギルス症やカンジダ症などの真菌感染症が原因となることがあります。
  • 寄生虫感染症: マラリアやトキソプラズマ症など、熱帯地域への渡航歴がある場合は、寄生虫感染症も考慮されます。

2. 炎症性疾患・自己免疫疾患:

  • 膠原病: 全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ、血管炎など、自分の免疫システムが誤って自分の組織を攻撃してしまう病気です。
  • 炎症性腸疾患: クローン病や潰瘍性大腸炎など、腸に炎症が起こる病気です。
  • サルコイドーシス: 全身の様々な臓器に肉芽腫と呼ばれる炎症細胞の塊ができる病気です。

3. 悪性腫瘍(がん):

  • 血液がん: 白血病や悪性リンパ腫など、血液細胞が異常に増殖するがんは、発熱を伴うことがあります。
  • 固形がん: 腎臓がん、肝臓がん、肺がんなど、一部の固形がんも発熱を引き起こすことがあります。

その他にも、薬剤アレルギー、甲状腺機能亢進症、まれな遺伝性疾患などが原因となることもあります。

病院へ行くべきタイミング:

以下の症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

  • 38度以上の高熱が3日以上続く場合
  • 高熱に加え、激しい頭痛、呼吸困難、意識障害などの症状がある場合
  • 発疹、関節痛、筋肉痛などの症状が伴う場合
  • 体重減少、食欲不振などの症状がみられる場合
  • 海外渡航歴がある場合
  • 免疫抑制剤を使用している場合

受診する際のポイント:

  • いつから熱が出ているのか、どのような経過を辿っているのかを記録しておきましょう。
  • 他に症状があれば、詳しく医師に伝えましょう。
  • 服用している薬があれば、全て医師に伝えましょう。
  • 過去の病歴やアレルギー歴なども伝えましょう。

高熱が続く原因を特定するためには、血液検査、尿検査、レントゲン検査、CT検査など、様々な検査が必要となる場合があります。早期に原因を特定し、適切な治療を受けることが大切です。自己判断で市販薬を服用するだけでなく、必ず医療機関を受診するようにしましょう。