示談できなかった場合どうなるのか？

示談できなかった場合どうなるのか？：刑事事件と民事事件における影響

示談とは、当事者間の話し合いで紛争を解決することで、裁判などの公的な手続きを経ずに解決を図る手段です。示談が成立すれば、時間や費用を抑え、当事者間の関係悪化も最小限に抑えられるメリットがあります。しかし、必ずしも示談が成立するとは限りません。示談できなかった場合、どのような影響があるのでしょうか？刑事事件と民事事件に分けて解説します。

刑事事件の場合

示談が不成立になった場合、刑事事件では検察官による起訴の可能性が高まります。日本では、検察官が事件を起訴するかどうかは、犯罪の重大性、証拠の有無、被告人の反省の態度など様々な要素を考慮して決定されます。示談の成立は、被告人の反省の態度を示す重要な要素となるため、示談が不成立だと、検察官は被告人が反省していないと判断し、起訴する可能性が高くなります。

起訴された場合、裁判で有罪判決を受ける可能性が高くなります。日本の刑事裁判における有罪率は非常に高く、99%を超えています。これは、検察官が起訴する前に十分な証拠を集めていること、裁判所が厳格な証拠に基づいて判断を行うことなどが理由として挙げられます。有罪判決を受けると、罰金刑や懲役刑などの刑罰が科せられるだけでなく、前科が付くことになります。前科は就職や結婚など、人生の様々な場面で影響を及ぼす可能性があります。特に、示談が不成立で起訴に至った場合、裁判官は被告人の反省の態度が低いと判断し、より重い刑罰を科す可能性も考えられます。

ただし、示談が不成立でも、必ず起訴されるとは限りません。被害者の告訴が必要な親告罪の場合、被害者が告訴を取り下げれば、起訴されることはありません。また、検察官が証拠不十分と判断した場合や、起訴猶予処分を決定した場合も、裁判は行われません。

民事事件の場合

民事事件では、示談が不成立になった場合、裁判で争うことになります。裁判では、当事者双方が証拠を提出して主張を行い、裁判官が判決を下します。裁判は時間と費用がかかるだけでなく、精神的な負担も大きいため、できる限り示談で解決することが望ましいです。

示談が不成立で裁判になった場合、裁判官は双方の主張や証拠に基づいて判断します。示談交渉の内容も、裁判官の判断材料となる可能性があります。例えば、示談交渉で被告側が責任を認めていたにもかかわらず、裁判で責任を否認した場合、裁判官は被告側の誠実性に疑問を抱き、原告側の主張を認めやすくなる可能性があります。

また、裁判では、示談で合意できた場合よりも高額な賠償金を請求される可能性もあります。示談では、当事者同士で譲歩し合って解決金額を決めることができますが、裁判では、裁判官が法律に基づいて客観的に賠償金額を決定します。そのため、示談で解決した場合よりも高額な賠償金を支払うことになる可能性があります。

まとめ

示談が不成立になった場合、刑事事件では起訴される可能性が高まり、民事事件では裁判で争うことになります。どちらの場合も、時間や費用、精神的な負担が増大するだけでなく、不利な結果となる可能性もあります。そのため、できる限り示談で解決することが望ましいです。示談交渉が難航している場合は、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、法律的な知識や交渉の経験に基づいて、適切なアドバイスを提供し、示談成立に向けてサポートしてくれます. 早期の相談が、より良い結果につながる可能性を高めます。